菅野さんは僕の永年のアイドルです。30年前から聴いています。ずっと真似してピアノ弾いています。今回のコンサートは、菅野さんが開発した12音全部フラット鍵盤の初お目見えです。普通は白鍵・黒鍵から出来ているピアノの鍵盤。それが全て同じ幅で並んでいるのです。つまり、全ての指のミートポイントは、全てストライク、という音に対する菅野さんのこだわりが作り出したピアノです。そして、12の調が同じ条件で奏でられるという利点があります。いや、有利、不利なんていう次元でなく全く別の楽器です。それを弾きこなしている菅野さん。白黒鍵盤であれだけ凄い演奏を何十年もしてきたのに、この鍵盤で挑戦するそのこだわり。完全に脱帽です。
でも、音楽はやっぱりあの最高のスガチン節、2ビートから4ビートに移り変わる瞬間の、まるで滑走路から離陸して行く飛行機を思わせる浮遊感。何処まで飛んで行っちゃうのだろうか?思いもかけず訪れる静寂と突然のユーモアと、いつまでもドキドキするこの感覚が菅野さんのJAZZ です。
ドラムのササキさんはその離陸の瞬間の醍醐味がたまらなくてしょうがないらしい。高梨君のベースがそのピアノに寄り添いながら、瞬間瞬間の音楽を驚きながら楽しんでいます。一緒にやったらたまらないだろうな~。